湯袋峠の岩清水

雨引観音に出かけたとき、地元の人から真壁町には他にも水をくむ場所があるということを聞いた。その後、真壁町の商工会問い合わせたところメールをいただい。た。2カ月後、やっと訪れることができた。

■湯袋峠への道
湯袋峠は雨引観音と同じ方向、つまり筑波山の西側に位置する。雨引観音は大和村だが、湯袋峠は隣の真壁町にある。雨引観音のときは、国道50号から行ったが道筋は、雨引観音へは左折するのだが直進すると湯袋峠への入り口になる。しかし、50号からでは遠回りなので、今回は125号から三和町、八千代町、下妻市、明野町を通って目的地へ向かうことにした。
わが家の車にはカーナビがついていない。地図は東北道のパーキングエリアで配布しているロードマップである。主要道路はわかるが、県道、町道の「x号線」などは記載されてない。従って、いつも遠回りのルートになってしまう。
今回も息子の話によると1時間半程度で到着するはずであった。
杉戸から千葉県の関宿町に入り茨城県の境町を抜け三和町から125号に入り、下妻を抜け、イエローハットのある十字路を左折して明野町に向かった。
天候は、どんよりしていた。筑波山も雲に覆われ遠望もできない。途中、コンビニで2回、商店で1回道を聞いた。道はどこも舗装されていて天候がよければ快適なドライブになったろう。
雨引観音から延びている道にぶち当たった。息子が行っていた真壁町の消防署があった。ここを直進したのが間違いの始まり。(ここで、右折して1つ先の上り口から行くのが正解)どんどん山の中に入っていった。峠を越えて下りになった。もう筑波向こう側、八郷町(やさとまち)になってしまった。道路工事の人に聞いたら、この道には水を場所はないという返事。仕方なくそのまま下りきる。
八郷町の農協で聞いたら、ひとつ道を間違えているとのことだった。来た道を戻るのではつまらないであろうから、とフラワーパーク側から行く道を教えていただいた。山道をまた真壁町へ向かって登っていくと、車が何台か並んでいた。やっとたどりついた。
もう夕方になっていた。道路が凍結したら山の中は危険だろうな、と思いながら最後尾に並んだ。

並んで30分ほど経過。私の赤い車のあとに2台並んだ。一番前の白い車の前に2台いる。狭い山道の向うが八郷町で手前が真壁町。八郷町側から上らないとUターンに苦労することがわかる。

赤いジャンバーの男性は、6年前から千葉県の習志野市からこの水を汲みに来ているとか。NHKのニュースで、ここが紹介されてから混み始めたそうだ。今日はラッキーなのだそうだ。いつもは車がもっと並ぶという。
彼はペットボトル、焼酎の大きなボトル、ポリタンをどっさり持ってきていた。
細いパイプの先にホースが取り付けられそこからちょろちょろ水が出ている。ホースは数箇所あるのだが、なぜか左はしのものしか使っていない。そのホースが空くまで次の車はじっと待っているのだ。
不思議に思って聞いてみると、他のホースからの水は砂利や細かいゴミが多いという。この男性はガーゼとペットボトルを切ったアタッチメントを持参していた。この男性の水汲みが終わるのは30分後。私の前にまだ何台かまっている。どんどん暗くなってくる。うんざりしてきた。
私たちが初めてここを訪れて、フィルターを持っていないのがわかると、気前よくわけてくれた。私たちが使い終わったものを、次の人にプレゼントしてきた。
次回、もしここに来るとしたら長靴とフィルター、懐中電灯を持参しなくては。
(水量は尚仁沢がはるかに豊富であるが、湯袋峠が70Km程度なのに、あちらは150Kmを越す。そうそう簡単に出かけられないし、冬季はチェーンは必須だろうし、雪のあとは通行禁止になるかもしれない)

私の前の人が汲み始めた。地元つくば市の方。自宅の水道は地下水で決して悪くはないのだが、でコーヒー、紅茶にこの水を使うという。
彼が言うには、筑波の頂上のケーブルカー付近に水があるのだが、最近ケーブルカーに使う潤滑油などの匂いがするようになって味が落ちたという。
この水場にはときたま小型トラックで乗りつける奴がいそうだ。そんなときは悲劇でその人のために1時間以上も待つ羽目になるのだそうだ。そんなときは帰る、と言っていたが、近くの人はいいよね。それで済むから。こっちは道を聞きながら2時間近くかけて来ている身には、そういう車の後ろにならないことを祈るばかりである。
水の上のプレートには「名水 岩清水」と書かれている。

私の後ろで待っていた若い夫婦の話によると、筑波山にはまだ何箇所か汲む場所があるという。ここは初めてきたのだそうだ。以前は筑波の「金名水」を汲んでいたのだが、そこは1度に40リットルしかだめで、それ以上のときはまた、後ろに並ぶという。
ここは制限なしだからいい、と言っていた。
帰りは夜の風景で、1度道を間違った。1時半に家を出て、7時半に帰宅。食事をしたり道を間違ったりしたため時間がかかりすぎたが、次回はもっと短縮できるだろう。
※結局1時間半以上も待つことになった。遠くても、迅速に汲める尚仁沢か、比較的近いのだが、運が悪いと2時間近く待つ湯袋峠か?ちょっとくせのある雨引観音の延命水か?むずい選択。


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