カポネの隠れ家は今…

70年前のシカゴ市内はひんぱんにドンパチがあったのだろうか?警察博物館で$9.95で購入した「CAPONE'S CHICAGO」という冊子には室内で、レストランで、路上で射殺された人々のおびただしい写真が掲載されている。脱税容疑で逮捕されたカポネは獄中、脳梅でこの世を去ることになるのだが、現役中、悪事を働いたら逃げ帰る隠れ家があった。市内からおよそ1時間半。雑木林に囲まれた二階建ての一軒家。前にはFOX川が流れている。いざという時は水路からの逃亡にも便利だ。日本でいうなら銀座で犯罪をおかし江ノ島あたりまで逃走した…という感覚だろうか。今、その家はステーキレストラン「SPEAKEASY=スピキィージー」に姿を変え好事家たちが集う。雪が降ったあとのアイスバーンと化した道をひたすら走りたどり着いたら、夜になっていた。ドライバーも初めてのコースということもあり非常に危険なドライブだった。

カポネの隠れ家、今はレストラン「SPEAKEASY」の入口。周囲に家はありません。暗闇に窓の明かりが見えたときは正直ホッとしました。ペンキが塗られてかなり派手な建物となっています。
※「SPEAKEASY」とは、1920年代の禁酒法時代のニューヨーク、シカゴなどにあったもぐり酒場のこと。 それはシックな男と女のたまり場だったという。枝川公一著「今日も銀座に行かなくちゃ」P266=講談社文庫=

入口のドアもかなり派手目。チャールストンを踊りそうな女性と子分を従えたカポネが迎えてくれます。靴は白と黒のコンビ。あちらでも日本でもこういうのをはく人種は今も昔も変わらないようで…。

おみやげコーナーの片隅のバー。壁にはトミーガン(かな)が飾ってある。このタイプのマシンガンはカポネがよく使っていたのかな?警察博物館で購入した冊子のカットにも使われている。私はここでビアカップと灰皿を購入しました。
※やはりこの機関銃は暗黒街のギャングたちが愛用していました。名称はトンプソン・サブマシンガン。1921年に米国のジョン・トンプソン退役将軍が興したオート・オーディナンス社で開発され、45口径拳銃騨を1秒間に12発発射するという性能は当時、画期的なものだった。しかし値段が高く不況時ということもあり、軍隊や警察には売れなかったという。最大の顧客がカポネをはじめとするシカゴギャングたち。「トミー・ガン」「シカゴタイプライター」というニックネームで呼ばれたこの銃は、彼らの強力な武器となり、それに対抗すべくFBIや警察も購入することになったという。時代は下り、第二次世界大戦でもM1A1という制式マシンガンとして、あらゆる戦線で使用され、生産量は200万丁を超えているという。TV映画「コンバット」で、故ビック・モロー扮するサンダース軍曹が愛用していた銃もこれであった。

レストランの2階。その日は雪の後ということもあり客はまばらであった。私が日本から来たことを告げると、マネージャーはこのフロアを見せてくれた。ここで裏切者を実際に射殺したということだ。今でもポルターガイスト現象がが起こる、と彼は真顔で話した。


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