現役の小学生にどれだけ理解できるかな
初めて見る人は、この建物が何であるか答えることができない。ある人は動物公園の獣舎だと思っていた。正解は小学生の学び舎である。多くの小学校は箱型の校舎が多いが、切妻の屋根をもつユニークなデザインは異彩を放っている。建築当時の壁は朱赤だったのだろうが、風雪に耐えかなり色あせてしまった。聞くところによると学校建築の本には必ず顔を出すという有名な小学校なのだそうだ。さらに特徴的なのが、柱には詩のレリーフが埋め込まれていること。大人でも離れて見なければ、誰の作品か判読できない。まして小さな子供には内容がどれだけ理解できるのだろう。国語の時間には教室を出て学校の周囲を歩き、壁にある詩を学ぶのだろうか?
給食センターからの車の受け入れ口。この柱にも詩が埋め込まれている。
島崎藤村の「初恋」が読み取れる。私が小学生のとき、このような抒情詩を学んだ記憶がない。こういう恋の歌をどのように教えるのだろうか?まして、今の子供には古典となった明治の風俗を。かなりイマジネーション豊かな子供でもむずかしいのではないかな。これを作った大人たちの郷愁かもね。
宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」。最近は生き物を簡単に殺してしまう子供も多いというから、道徳観と一緒に教えればいいのかな。こういう詩もいいが、谷川俊太郎のリズミカルな詩のほうが今の子供向きだったのかも知れない。

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