秋、本番
今朝、玄関のドアを開けたら馥郁とした香りが周囲に満ちていた。昨日までは何の気配もなかったのに。西側の風除けに植えた金木犀が小さな蕾をつけていた。例年より何日か香るのが遅かった。この蕾はみるみる大きくなる。枝がオレンジ色に染まり、あっという間に散ってゆく。木の下には卵のソボロ状の花が堆積する。花の盛りのときも香りは強くなるわけではない。沈丁花の「むせるような」強烈さはないのだが、家のまわりを上質な甘い香りが包み込む。
室内の臭い消しにスプレー式の金木犀の香りがあるが、合成はややきつい。やはり天然自然にはかなわない。
花水木も赤い実をつけ順境に紅葉した。赤い花をつける木の紅葉が早い。白い花をつけるほうはまだ褪せた緑の葉でがんばっている。色素の関係で紅葉時期も変わるのだろうか。
間もなく10月だというのに、まだ蝉が鳴いている。数は少なくなり特に夕方のカナカナがよく聞こえる。その声に混じってさらに少数派のミンミンも。オーシンはほとんど聞こえない。夜は虫の大合唱である。

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