縄文人の知恵
郷土資料館の中庭に江戸時代末期の藁葺きの家が移築されている。落ち葉の季節は、屋敷林から大量の枯葉が出るためカマドで焼却している。家の屋根から煙が出ていた。昔は、煮炊きをした煙をここから逃がしていた。煙突などない時代なのだ。煙が藁に潜む虫を殺し、タール成分が藁の密度と梁など木材の強度を上げていたという、先人の知恵が生かされている。●藁葺きの隣には、この地から発掘された縄文時代の竪穴式住居が再現されている。中に入ってみた。中央に火を炊いたくぼみがある。その煙が、やはり上から逃げるような構造になっている。●外観は違っていても煙をうまく利用していた縄文人の知恵が藁葺きにも脈々と受け継がれていたのだ。

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