棒杭の道
新しい村の前にある雑木林が、緑のトラスト区域に指定された一帯である。それまではほとんど手入れはされたことはなかった。何年か前は草加市のボーイスカウトの野営訓練地になっていて、夏休みには焚き火で飯盒炊爨などをやっていた。それが、指定されたとたんに様変わり。木々は間引きされ下草は定期的に刈られ散歩用の径が生まれた。まるでよそ行きの顔になってしまった。さらに指定地域は柵でガードされ、入れないようになった。自然の材料を使えば環境に調和するとでも思っているのかもしれないが、実に味気ない道になった。もともと棒杭の内側にはあまり人は立ち入らなかった。このような仕切りを作る理由はあまりないと思うのだが。。
●この夏、わが家の土地と町有地の境界線にロープが張られたことがあった。通常こういう場合は地権者同士が立ち会って行うものだが、突然何の予告もなく執り行なわれた。この町有地も最近は頻繁に雑草が刈られるようになった。ロープを張るように指示した人の話では「雑草が刈られて見通しがよくなると、ゴミを捨てる人が増える」というのだ。●この理由はまるで逆ではないか?雑草が生い茂っていれば捨てても目立たないからポイポイやられるのであり、きれいな場所には捨てにくいものだ。●この界隈にも街灯はあるが闇の多さに比べて数は少ない。物騒な時代なので防犯灯を設置した。ところがクレームがついた。「明るくてつまずいてしまう」というのだ。むちゃくちゃな理由である。「いちゃもん」以外のなにものでもない。明るいから足元がよく見えるのではないですかね。ロープも街灯も、同一人物が関わっているのだが、一般常識とはまるで正反対の価値判断で行動してしているのだとしたら恐い。●棒杭の道を通りながら、この杭を打ち込んだ理由を考えていたら、常識から少し外れているようで、つい最近私の周りで起きたことを思い出してしまった。

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